2022/06/05
こんにちは。名古屋市守山区志段味の鈴木歯科医院です。
本日は歯周病の原因菌についてお話をしていきたいと思います。
まず、はじめに皆さんは歯周病という病気を知っていますか?
歯周病は30歳以上の人であれば、なんと約80%の人がかかっていると言われているほどの、国民的な病気の1つです。
具体的に歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患の1つで、
歯周病にかかってしまうと、歯の周りの歯茎、歯を支えている骨さえも溶かしてしまう恐ろしい病気です。
歯を失う最たる原因はむし歯ではなく、歯周病と言われています。
この歯周病は日本だけではなく、世界でもかかっている人が多く、
なんと2001年には最も感染者数が多い感染症としてギネスブックにも認定されています。
この歯周病の原因菌とされている最も有名なのが、ミュータンスレンサ球菌です。
一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ただ、歯周病にかかるのはこの、ミュータンスレンサ球菌だけではありません。
それはレッドコンプレックスと呼ばれる3つの細菌たちがいます。
まず1つ目はタンネレラ・フォーサイシアです。
見た目はひょろ長い棒きれのような見た目をしており、空気に触れると駄目になる弱々しい菌なのですが、
口の中に入ると弱々しい菌ではなくなり、体に有害な毒素を出し続けます。
2つ目にトレポネーマ・デンティコーラです。見た目は螺旋状の菌なのですが、
この菌は非常に厄介で、他の悪い菌に引っ付いては、どんどん口腔内を悪い方向に持っていきます。
最後に、ポルフィロモナス・ジンジバリスです。
顕微鏡で見ると丸くて可愛らしい感じもするのですが、
血液寒天培地の上に乗せてやるとたちまちその凶悪な本性を露わにし、いかにも毒々しい真っ黒な見た目の塊を作ります。
この3つが歯周病の原因となる御三家、レッドコンプレックスたちです。
みなさんもこのレッドコンプレックスに負けないように口腔内を清潔に保つようにしましょう。